あなたの微笑みは、わたしに世界中の幸せをくれる

いつも笑ってすごせたらうれしいね。

女子高生だった私が親にお金を貸してから約9年。女子大生の妹も親にお金を貸している。

久しぶりに長らく使っていないアカウントにログインして、メールを整理していたら、はてなブログからのメールを見つけた。

 

およそ9年前のブログ記事にコメントがついているという。

 

allsmiles.hatenablog.com

 

(そのメールが送られてきていたのも9年前だから、私はブログを書いたっきり、メールアドレスもブログも放置していたみたいだ)

 

そもそもこの記事を書いたことすら覚えていなかったので、驚きながらまずブログ記事を読んでみた。

読むに堪えない文章だったけれど(もっとも、残念ながらいまもそんなに文章力に変わりはない)、すっかり忘れていた当時の気持ちを追体験するような心地だった。

 

たぶん、怒りや悲しみ、やりきれなさとか、

とはいえそうした感情をどこに吐き出していいかわからない気持ちとか、

とにかくいろんな思いを当時の自分は抱えていたのだろうと想像する。

 

そして、お世辞にもよく書けているとは言えないブログ記事にコメントをくださった、当時の私と似たような境遇の方の気持ちを考えると、やはりとてもやりきれない気持ちになる。

 

せめて、当時すぐにコメントをいただいたことに気づいて、ヘタクソな言葉でもお返事できていればよかったのにと悔いる。

 

また、同時に思うのだけれど、きっと当時の私と同じ境遇の人は、きっとたくさんいるのだろう。

 

たぶん、だれにも言えずに悩んでいる人も多いのではないかと思う。

 

(いまどき、SNSで同じような立場の人と繋がっている人も多いのかもしれないけれども)

 

きっとこのブログに辿り着く人はとても少ないのだろうけれど、

コメントをくださった方もいるわけだから

だれかがなにかのきっかけで偶然見つけてくれることもあるかもしれない。

 

なので、需要は限りなく0だろうけれども

私と私の周りの現状について少し書き残しておこうと思う。

 

長くなりそうなのでざっくりとした要約をすると

 

私は、私個人で考えると、ものすごく満ち足りた人生とはいえないけれど、少なくとも不幸せではない。

 

しかし血のつながった家族単位で考えると

父は相変わらずほぼ全く働いておらず

母はあの記事を書いた後パートを始めたけれど

家は相変わらず貧乏のままで、月々の収支は赤字

両親の貯金は全くなく

母は一番下の大学生の妹*1から、当時私にしたようにお金を借りている

という、とてもうまくいっているとはいえない経過を辿っている。

 

以下はほぼ蛇足ではあるが、現況についてだらだらと書こうと思う。

 

 

 

冒頭の記事を書いた時女子高生だった私は、現在アラサーのOLとなっている。

 

9年前の私は大学に行けるかとても心配に思っていたようだけれども

大学には行った。

そして何を間違ったか大学院修士課程にも行ってしまった。

 

大学に入るための受験勉強はろくにしなかったので

当然の帰結として旧帝大には落ちたけれど、

まあまあ近くの国立大学には入れた。

 

当時高校生の私はお金のことを心配していたようだが

大学に入る前、つまり高校の時に

日本学生支援機構の第一種奨学金を契約したので

最低限の教育にかかるお金の出所は確保できた。

www.jasso.go.jp

 

当時は利子なしの要返還の契約だったが

数年前に大学を卒豪した上の妹*2奨学金に応募した際は

返還不要の奨学金の種別ができていた。

www.jasso.go.jp

 

めちゃくちゃ性格が悪いけれど

なんなら私の方が勉強的な意味で努力していたはずなのに

私が手を貸した課題が評価されたのもあり推薦で大学に入って

私の契約して家具を揃えた家に一緒に住んで

私がやや苦労して得た知識を存分に使って大学の入学金や授業料を全く払わずに済んで

なんなら奨学金も給付なので、今後の人生に返済の不安など一切なく大学を卒業した妹と人生を比べると

ものすごく理不尽だと思うし

人生のどこかで、私と妹の人生の帳尻のようなものがプラマイ0になってくれないかなと思ってしまう。

姉としてこんなことは思うべきではないというのは重々承知だ。

 

また、私は、大学在学時の途中でダメもとで応募した私設の給付奨学金に受かり、

ありがたいことに月々4万円ほどいただいていたので

当時借りていたアパートの家賃等にあてることができた。

 

高校生だった当時は知らなかったのだけども

世の中、探せば意外とたくさんの給付奨学金があるので、

貧乏で進学を諦めている人は

ネットで検索したり

高校の先生を頼って探して

応募できそうだったらダメもとで応募してみてほしい。

 

 

(高校の先生にこんなことを尋ねるのは恥ずかしいと思うかもしれないが、まともな先生であればある程度親身になって一緒に考えてくれるはずだ)

 

xn--kus49bd41h.net

 

また、大学に入学してからしかアクセスできない

大学独自の奨学金もあるので

入学後もそうした情報をちょくちょくチェックしてみるといいかも。

(学生課の前の掲示板や、大学のウェブサイトに載っていることが多いのではないだろうか)

 

 

大学卒業後は

ほんとうは就職して

全国転勤ありの総合職とかでバリバリ稼ごうと思っていたのだけれど

奨学金も返さないといけないし…と思って、まあまあインターンなども参加した)

 

たしか大学3年生の時に

なにを思ったか、当時の学士過程と全く関係のない専攻で修士課程に進学したいと思い立ち

大して豊かとは言えない人脈を駆使して情報を集め

(私が頑張ったというより、教えてくれた知人が非常に親切な人だった)

私にしては勉強して

(でも当時のそれを「勉強した」といったら、たくさんの受験を経験した人にタコ殴りにされると思う)

幸か不幸か修士課程に合格してしまった。

 

今思えば、お金もなく、覚悟もないくせに、

よくぞまあ修士に進もうと考えて実行に移してしまったものと呆れる。

 

しかも修士課程でもたいして勉強に励んだわけではなく

修士を得ることでつとめることのできる仕事に就いたわけでもなく

という有様で

借金までして院まで進んだくせに非常にどうしようもない

 

(こういうところに、自分の親の血を感じたりする)

 

正直、今となっては、進学はただの現実逃避だったのでは?と思わなくもないが

同時に

何の糧になっているかはわからないものの、まあ人生のどこかで何らかの役に立つのかもしれないと思ったりしないでもない…

 

(でも、いまのところはとりあえず、ただ奨学金の借金を増やしただけのゴミみたいな時間に成り下がっている)

 

 

そのようにして修士課程を終えた私は

はじめはやはり総合職でバリバリ稼がねばと思ったのだけれども

結局のところ

学士過程在学時からバイトとして働いていた先に就職した。

 

当時の私は、

この雰囲気のいい会社で働きたいなと思ってしまって

上司に「就職させてもらえませんか?」とオファーしたものの

これに関しても

よくぞまあそんなことを言ったなと思うし

なんなら「就職活動から逃げたのでは?」と思うところもある

 

今考えると

私はたくさんの奨学金という借金をかかえているわけだから

当時もっときちんと就職活動に精を出して

大企業に入るか公務員になるかして

バリバリ(あるいはゆるっと)働くべきだったのかもしれない。

 

そんなこんなで社会人になった私は

就職後、大学在学時から付き合っていた彼氏と結婚して

いまははじめての子どもを妊娠している。

 

年収は450万くらいで

生活には困らないものの

同い年の友達が大企業に転職して十分な福利厚生と年収700万を得ている

というのをインスタで見てしまい

数日に一回思い出しては

自分との差に落ち込んで鬱になったり

私も転職して年収上げて早く奨学金返し終えて自由になりたいなあ

などと思ったりしている

 

結婚した夫は私とは割と真逆な性格と生い立ちで

出会って何年も経つ今もまあまあな頻度で喧嘩をするものの

おおむね仲良く暮らしている

 

夫の実家は私よりずっと金銭的に豊か(なはず)で

日々の生活のふとした瞬間に

金銭的な育ちの違いを感じては

その差に悲しくなったりもするし

私の実家に夫が来てくれる際は

やはりうちの金銭的・心理的な貧しさを目の当たりにさせることに

とてつもない恥ずかしさを感じる

(夫にはできるだけ私の実家とは関わりを持ってほしくない)

 

結婚したら子どもがほしい

というか

まあ順当にいけばそのうち子どもができたりもするだろう

と思って生きてきたけれど

実際に妊娠してみると

私みたいな人間が親になっていいのか?

と改めて思ったりもする

 

私が私の親みたいになってしまう可能性は大いにあるし

自分でそれを止められないかもしれないと考えると非常に恐ろしくなる

 

とはいえ

今現在妊娠しているわけで

このまま順調にいけば生まれるわけだから

(それに子どもをつくったのは自分の選択なのだから)

そうした可能性のある自分を十二分に律して

子どもと一緒に成長していくしかない

 

家族とは、実家を出たいまも普通につながりがあり

年に数回ほど帰省したりするし

父とはほぼ話さないが*3

帰省時には父ご指名のお土産を買っていく程度の義理は感じており

妹たちとはそれぞれそれなりに仲がいいし

それは母とも同様で

出産後は母が手伝いに来てくれる予定だった

 

つまり、父との関係は微妙にしろ

母や妹たちとはほどほどに仲がいい

ある意味ふつうの家族ではあるといえる

(と、少なくとも私は思っている)

 

ただし

家族仲は悪くはなくても

家がうまく回っているとはお世辞にもいえない有様ではある

 

これは最近の話なのだけれど

妊娠後実家に帰った際に

母がポロッと「いまうちにお金がなくてさあ」という話を私にして

そこからあれよあれよと

前述したような、火の車である家計の状況が発覚した

 

正直、改めて聞くまでもなく

実家はとても余裕がある経済状況ではないと思ってはいたし

(そもそも、母がパートに出るくらいで、父はここ10年以上ほぼ働いていないので)

そうした状況から目を背けていたのもあるけれど

まさかこれほどまでにひどい有様とは…とショックを受けた

 

あらためて

こうした状況になるまで、あるいはなってすら

「どうにかできる」はずの状況を放置し続けてきた両親に

心底腹が立ったし

呆れたし

一周回ってどうでもよくなったりもした

 

とはいえ紛れもなく自分の実家のことであるので

しかたなく

こんな状況になるまで放置していた母に説教じみたことを言った

 

その折ちょうど家の何かが故障したとかで

その修理費として概算される5万程度を渡した

母は固辞したけれど

お金がないのだから、話を聞いた手前、渡すしかないのだった

 

それに、そうしないと、必然的に実家にいる妹たちが

何かしらの迷惑を被るであろうことが目に見えていたというのもある。

 

社会人の上の妹はともかく

まだ学生の下の妹が

こうしたことを目の当たりにするのは忍びない…

 

そして

私から父に働くように言おうと思ったが

母に止められたので

母から父に談判するように約束させた

 

実家に住んでいるのにびた一文も払わない上の妹には

状況を伝えて少しはお金を出すように言い

 

下の妹にも、こういうわけだから親はあまり頼れないので

なにかあったら自分に言うように伝えて

 

そのときは半ば逃げるように今住んでいる自分の家へ帰った

帰省の期間が短くてよかったと心底思った

あんなことを聞かされた上で実家に居続けなければならないと思うと

本当に気が滅入る

 

ただ、その後数ヶ月経って

下の妹からLINEがきた

 

父方の祖父が残してくれた教育資金の入った口座から

母が勝手に10万円を引き出していた

と聞いた

 

妹が問い詰めたところ

「すぐに使わないと思って」

「後で返すから」

と言われたとのこと

 

我が親ながら

本当に情けないと言うか

しょうもないと言うか

本当に、こんなのが親だなんて…

という気持ちだ

 

きっと妹も同じように感じていることだろうし

こんな親を持ってしまったことを

とてもかわいそうに思う

 

その後、聞いてしまったからには母に連絡を取って

妹の口座から無断で金を引き出した件について叱って

一刻も早くお金を妹に返すように伝えた

 

(わたしはなんで親を叱りつけているんだ?と虚しく思った)

 

また、その際に、

母はまだ父に働くように言ってないとのことだったので

その後再三

早く父と話すように連絡を入れたものの

全て無視されてしまった

 

なお、帰省の際にいつ何時までに父と話すようにしてください

そうでなければ私から話す

と伝えた期日は

そうした一方的な催促を行なっている間に過ぎてしまった

 

もう本当にどうしようもない

こんな親に私の子どもを会わせたくはないので

生まれる前に私から父に働くように言って

働かないのであれば孫には合わせないようにしようと思っていた矢先

つまり本当に近ごろの話なのだけれど

 

下の妹からLINEがきて

母がやっと父に話したとのことだった

(妹は同席していたわけではないから、詳しいことは知らないようだった)

 

しかしその後

母に電話をして確認したところによると

父が何時から働き始めるかは決まっていないらしい

 

きっと父のことだから

なんだかんだと理由をつけて

仕事を探すことすらなかなか始めない気がする

(最も、仕事といっても、もう年金が支払われるような年齢であるから、バイトとして原期に出ることになるだろうけれど)

 

電話をしたとき

最後の方、母は電話の向こうで泣いていたようだが

その気持ちがわかるような気もする反面

泣くような状況になる前に、どうにかしようと手を尽くすべきだったとも思ってしまった

 

(むろん、横暴な父に振り回された母に同情すべき点は多いし、母の置かれた諸々の状況を考慮した際、母が取れる手が限られていただろうことは重々承知だが)

 

このごろ、わたしはもう

両親について頭を悩ませたくない気持ちがあって

働かないなら働かないでいいけれど

(無論よくはないのだけれども)

そういう態度をつづけるのであれば

生活保護をとるなりなんなりして

自分たちでなんとかやってほしい

としか考えられない

 

そういうわけにもいかないでしょ、自分の親なんだから

と夫には言われる

 

ただ、自分の親だからこそ

こういう状況になるまでの経緯を長年見てきたわけだし

どうにかせねばと思ってあれこれ口出ししたことも全て無視されて

なんならお金を貸したりもしてきて

それでなおこういう現状なわけだから

「自分の親だから」などという理由だけで助けたいなんて

全く思えないのだった

 

こんな状況の家族がいる妻を持ってしまった夫には本当に申し訳なく思うし

私も結局は親を何とかしてどうにかしようと考えるような人間ではないんだな、と半ば他人事のように思ったりもする

 

 

…ながくなったけど、私の近況はこんな感じだ。

 

 

まとめると

結局あれから9年経ってわかったことといえば

 

あんな家で育っても

大学に進学することはできるし

結婚もできるし

就職もできるし

そこそこの収入を得てそれなりの生活を送ることもできるけれど

子どもにお金を借りるような状況に陥るような人間が

9年やそこらで改心して真っ当になるようなことはない

ということくらい

 

親ガチャなんて言っちゃいけないという人は多いけれど

そういう自分ではどうしようもできない運の要素は

人生に絶対あると思う

 

それでも

「自分でどうにかできる」部分で

どうにかなる部分も少なくはないとも感じる

 

だからこそ、いま現在、同じようなどうしようもない状況におかれて

救いようのない想いを抱えてる人は

自分の将来を悲観してしまうのは当然だけれど

悲観し過ぎてなにもしないまま諦めてしまったりせず

しんどいだろうけれど少しだけもがいてみてほしい

 

他人なんて頼りにならないと思うことも多いかもしれないけれど

意外と助けを求めるとその手を取ってくれる人もいるし

世の中思いの外自分を助けてくれる制度もあったりする

 

それに自分の親というものは

絶対に一生関わって助けていなければいけない存在ではないし

親というものが子どもの人生を縛り付けていいはずもないので

親のせいで苦しんでいる人は

なんとか親の呪縛から逃れて

少しでも楽な方向に向かって欲しいと思う

 

 

本当は今の自分が置かれているこんな状況について

一生夫以外の誰かに言うことはないと思っていた

(とても恥ずかしくて、他人にはいえないので)

 

ただ、今日、昔の自分が書いた記事と、それにコメントしてくれた方がいることを見つけて

しょうもない私のしょうもない現状も

もしかしたら誰かのなにかしらになることがあるかもしれない

と考えてしまったので

 

まとまりがなくて読みにくい

そして二度と読み返したくないような文章ではあるけれど

ネットの誰も見ないような片隅に残しておこうと思う

*1:私は三姉妹で、ここでいう妹は三女で末っ子。実家暮らし。

*2:三姉妹の次女。私と同じ大学に進学した。今は社会人。

*3:私だけでなく、姉妹全員がそんな感じ

女子高生の私が、親に十万円を貸した

「あのさ、はっきり言うけど、ちょっと10万貸してくれない?」

 

母が唐突にそう言ったとき、私は頭が真っ白になってしまった。

これってつっこむべき?

どこからつっこむべき?

 つっこむポイントが多すぎて、もうね、私、全力で北島康介さん状態でした。

※何も言えねえ

 

呆然として黙りこくる私に、母は、

「来月には返すから」

とか何とか、言っていた気がします。

よく覚えていない。

 

私が覚えているのは、

  • 親が子どもにお金をせびるのはおかしい
  • 高校生の私にとって、十万円は『ちょっと』の金額ではない

という感想を抱いたということだけ。

 

 

親が、子どもから預かったお年玉をパクる。

パクるといっても、子どもの養育関連費に使われるようだけど。

そういうことは、個人的に、なんとなく許容できます。

(とはいえ、カミングアウトされたら、最初は怒り狂っちゃう気がする)

 

でも、親が子供にお金をせびるっていうのはなあ。

なんだかなあ。って感じです。正直。

むなしい、と、かなしい、の真ん中くらいの気持ち。

 

どうしてこんなことになっちゃったんだろう。

 

単純に、母を責めることはできません。

母とて、言いたくて言っているわけでないことはわかります。

こんなことになった原因は、父がちゃんと働いていないせいだし。

※私の父は自営業なのですが、不景気のせいで(との言い訳8割で)、あまり仕事がないのです。

 

でも、だからって母に100%同情できるわけでもない。

そういうことを娘に言えちゃうんだよなあ、この人は。

と、どうしても思ってしまう。

私なら、娘にお金を貸してなんて言えない。

少なくとも、そういう事を言う前に、自分が働きに出るくらいのことはします。

※私の母は専業主婦です

 

 

長い沈黙のあとに、私はため息をついて、言いました。

「私の友だちに、お金を貸して、って親に言われた子は誰もいないと思うよ」

母はうつむいたまま何も言いませんでした。

そりゃあ、何も言えないよねえ。

 

 

その後。

こーんな気まずい状況になったというのに、私たちは一緒に買い物にでかけました。

もともと朝に、買い物に行く約束をしていたのです。

娘にお金を貸して欲しいと思うくらい切羽詰まっているのに、しまむらに出かけるなんて、ひっどい皮肉。

 

車に揺られながら、窓の外をぼんやりと見ていたら、同級生の姿が目に飛び込んできました。

その姿を見たとたん、

この子はきっと、親にお金を貸してと求められることはないんだろうなあ。

とか、

それとも、私が勝手に思い違いをしているだけで、こういうことはありふれた話なのだろうか?

とか、

こんな笑っちゃう家計状況で、私はちゃんと大学に行けるのだろうか?

とか、いろんなことが頭をよぎって、気付けば泣いてました。

 

泣くのなんて、何か月ぶりだろう。

久々の涙がこんなことで流れるなんて、思ってもみなかった。

 

幸い、涙が流れただけだったので、運転席の母は気付かなかった……気がする。

もしも、気づいていたのなら、いったい母はどんな気持ちになったんだろう?

どんな気持ちになれば、このどうしようもない現状を改善できるのかな?

 

 

しまむらに行った帰り道。

寄り道したドラックストアで母が買い物をしている間、私は近くのホームセンターを見てくると言って、ATMで十万円を下ろしました。

バイトでためたお金の三分の一は、改めて手に取ってみると、すっごく軽かった。

軽かったけど、それでも、その十万は私の大事な財産なのだ。

 

私は、私なりに、自分の将来のためを思ってバイトして、それで得た賃金を貯金していたことを、私の親は分かっているのかな。

分かっていて、それでも言わざるを得なかったんだろうか。

 

 

残念なことに、私が親にお金を貸してほしいと頼まれたことは、これが初めてではありません。

記憶はあいまいですが、中学生のころからだったか、何度か頼まれて、たぶん、ウン万単位で貸してあげているはずです。

そして、おそらく私の妹も。

 

妹の方は、私よりも悲惨です。

何せ、おじいちゃんがこつこつ積み立ててくれていた進学資金にまで手をつけられたようなので。

いつだったか、おじいちゃんが、ぼそっと呟いていた。

まったくろくでもないよ、と言っていた。

 

成績が悪いからって、大学に行かないだろうと決めつけた上に、進学資金さえも勝手に使う、そういう人間が、私たちの親だ。

そんな親に育てられて、いったい私たちは、どんな大人になることができるんだろう?

子は親に似ると言う。

今、親を尊敬できない私たちも、いつかは親と同じ類の人間になるのだろうか?

自分の子供に、お金を貸してと言える大人になるのだろうか?

 

それってとてもかなしいことだ。

あまりにもかなしくて笑っちゃいそうになるけれど、今の私にはこれを笑い話に消化できるほどの強さはないんだよなあ。

 

なんかもう、ほんとうに、どうしようもない。